「立ったり歩いたりすると、ひざの前が痛くて辛かったけど、楽になったので東京の孫に一人で会いに行けるようになれて嬉しい」

患者さま

K.S様 (女性/62歳)
職業:新聞配達業
症状:長時間立っていたり、歩いているとお皿の周りひざの前側が痛い  

ご来院時の症状

半年くらい前から、ときどき左ひざのお皿周りに違和感や痛みを感じてきたそうです。
今までも違和感を感じることはあったそうですが、しばらく経てばおさまっていたので、今回も様子を見ていたけれども症状がひかなかったようでした。

ですので、病院に受診して半月板(ひざの関節の骨の間でクッションの役割をしている軟骨のこと)が薄く変性を起こしていると言われて、ヒアルロン酸の注射を2カ月継続して受けられていたそうです。
しばらくの間は症状が軽くなっていたようですが、また症状が再発し以前よりも痛みが倍増してきたとのこでした。

また、お孫さんの運動会へ応援に行く約束をされていたそうで、大阪から関東まで行くのに不安を覚えるようになってきたとのことで、なんとかそれまでに治したいという想いを持っておられました。
 
主な症状をまとめると次の通りとなります。

・長時間立っていたり歩いたりすると、左ひざの前側が痛い。
・左足があげにくい、階段が昇り降りがつらい。
・左腰が重苦しくなったり痛いときがある。
・以前から、肩こりも感じている。  

当院の看板をご覧くださって来院されたとのことでした。

 

検査結果

この患者さまは、本当はやせないと現在の膝の痛みはちゃんと治らないのだろうと思っておられたようです。

  確かに体重が少なければ膝にかかる負担は単純に少なくなるために、痩せることが出来れば、ある程度楽になる可能性は高いと思いますし、実際に楽なることは多いです。
しかしながら、意外と体重の増減と同じくらい、もしくはそれ以上にひざを支えている筋肉の機能が落ちていることが、もっともひざに負担をかけてしまっている原因になっていることはあまり知られていないことです。
またそれなら筋力を強くするためにトレーニングをドンドンすればいいのかというと、それもちょっと違います。

  骨のズレがあるために骨のならびが悪くなっていると、その間から出てくる神経の流れが滞ってしまいます。
その結果として、血行が悪くなり疲労が溜まりやすくなって、筋肉の機能が低下してするので、頑張って筋力アップを図ってトレーニングをしても僅かずつしか効果は得られずに非常に効率が悪いです。
また頑張りすぎると疲労が蓄積されてしまい、かえって症状を悪化させたり、新たな症状を誘発、発症することにもなりかねません。
その為にも骨のズレを調整して身体の緊張を改善するために緩和操作を行い血行を促し、さらに効果をアップして維持していくために、ストレッチや軽い運動を行い又は気を流して充実させてあげます。
そうして、関節の可動域が改善して安定してきたら、筋力トレーニングを目的に合わせて実施していくと効果的に筋力がアップしていき、身体本来が持っている機能が高まっていきます。

  頑張っているのに症状や状態が改善されない…という患者さまには、このセオリーが守られていないことが本当に多いのです!!!

  この方も自分なりに痛みが悪化しないように気を付けてはいたようですが、骨のズレがあるままで体操やストレッチをしていたために、その効果をなかなか感じることが出来ずに症状が少しずつ悪化してきたことになります。

・骨盤のズレがあるために、足の血管や筋肉を支配している神経の流れが滞っており、胸腰部~股関節~太もも~ひざ周辺の緊張が著明でありました(特に大腿四頭筋)。
・ひざ周囲の緊張のアンバランスがあるために、大腿骨と脛骨、膝蓋骨の可動性の減少やアライメント(位置)の変位がみとめられます。
・ひざや骨盤などの身体の土台になる部分の骨がズレている為に、上半身の骨がズレて傾き緊張して肩こりなどの様々な症状をきたしたりします。

 

経過

1回目: 背骨の土台である骨盤の調整から始めていき、上半身の調整へと進めていきます。
身体の緊張を取るために、調整を行ったのちに血行が良くなっている状態で、緩和操作を施しバランスを改善していきます。
ひざの関節のアライメントを調整して改善してから、可動域が広がるように緊張を取り除きます。

2回目: 前回から、症状は少し改善してきました。
しかしながら、三日ほどしてくると徐々に症状は戻ってきました。 これには理由があります。
 
一度骨がズレたところは初めのころは戻りやすいのです。 ですので、調整を始めて間もないころは、どうしても症状は戻ってきます。 それに加えて、ひざや股関節などの関節に変形が出来ているような場合は、これもまた調整を始めだした当初はあまり急にバランスを変えてしまうと、一時的ではありますが症状を悪化させてしまうことがあります。
関節の可動性を急に回復させてしまうと、関節を支えるために筋肉などがしっかり力が入っていることが大事になりますが、可動性が改善するスピードに筋肉の機能が改善するスピードに追い付けないので、そこにタイムラグが生じて一時的にですが関節が不安定になります
その為に、炎症が起きてしまうことがありますので、通常はひざや股関節などの体重が重くかかるわりには関節の構造が脆い場合については他の部分よりも慎重に調整を行っていきます。

  このようなことから、初めのころは調整を少しずつしか進められませんので、数日で症状が戻ってきやすいのです。
ですから、なるべく初めは調整を集中的に繰り返していく事が、症状を早く確実に安定させるためには重要なことなのです。

  今回も慎重に少しずつ骨盤から調整を始め、順次背部から頸部へと調整を進めてまいります。
緊張も緩和操作で緩解していきます。
ひざの調整と合わせて股関節や足関節の調整も行い、緊張を改善するように緩和操作を行っていきます。
効果をさらに高めるために、施術では気の滞りを無くして流れを良くして、その後ご自分でストレッチを行って頂くために指導説明をいたします。

3回目: ひざの痛みは少しずつ改善してきているとのことです。
引き続き、前回同様に調整と緊張緩解のために緩和操作を行います。
少しずつ、新しいストレッチや運動の指導をさせていただきます。
前回施術以降、腰痛は発症していないとのことです。

4回目: ひざの痛みは大幅に改善してきたとのことでしたが、階段の昇り降りはいまだ一歩ずつしか進められないとのことでした
肩こりも楽になってきているとのことです。
調整と緩和操作を繰り返していきます。
徐々にズレが戻らなくなって安定してきていますと伴に、症状も改善したまま維持できるようになってきています。
日常生活での姿勢の注意と自己管理法の指導と説明をさせていただき、毎回施術の度に正しく行えているかチェック致します。  

院長コメント

通常の調整よりも集中的に来院していただき施術を行い気功も効果を発揮して、何とかお孫さんの運動会までにはひざの症状は改善して、階段の上り下りくらいは痛まずに出来るようになって頂けました。
お孫さんとの約束を守ることが出来たと喜んでいただくことが出来ました。
良かった良かったと、私も嬉しく思います。

このように、ただ痛みを取るというだけではなく、その痛みを無くしたその後に「これがしたい!出来るようになりたい!」といった目的が明確にあると、患者さまのモチベーションが高くなると伴に術者側もゴールを共有できることで意識の共有ができるようになり、伴に頑張って非常に順調に施術がすすめられたと思います!(^^)!

またこの方は、新たな目的のために現在もさらに症状の改善と安定のために、定期的に調整に来院されておられます。


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