妊娠中から腰が抜けるように痛かった「産後にも痛みは続いていたけれども、症状が楽になったおかげで子供にも優しくできる」

患者さま

A.K様(女性/30代)滋賀県大津市在住
職業:専業主婦
症状:腰痛、臀部痛、肩こり、頭痛

ご来院時の症状

3年前に第1子の子供さんを妊娠中に来院されて、今回第2子の子供さんの出産後里帰りされたので来院されました。
元々、腰痛はよく発症していましたが第1子出産後に骨盤調整をされて症状は大幅に改善されていたのですが、この3年間まったく骨盤調整が受けられなかった為にズレが戻るとともに、腰痛などの症状も再発していたそうです。
(小さなお子さんの世話をしていれば、不自然な体勢をとらざるを得ないことが多いでしょうから、調整しなければズレは出てきてしまうでしょうか(-_-;))

ですので、今回妊娠中にも腰痛が徐々に酷くなりお尻や背中にまで重だるい痛みや脱力感・コリ感など不定愁訴があり、肩コリによる緊張性頭痛や就寝中のコムラ返りが起こったりしていたそうでした。
産後には少し良くなるかと期待していたけれども、症状は治まる様子はなく相変わらずに症状が辛かった為に、里帰りを機に当院へ再度ご来院されたとのことでした。

症状をまとめますと次の通りです
・長時間座っていたり寝ていると腰が抜ける様なダルサが出て腰~お尻全体にはダル痛さが発症し、またその後に動き始める際にはハッキリとした痛みが出る。
・子供を抱っこしているときなどに、すぐ首肩~背中にコリを感じる。そのうちには、頭痛が発症する。
・就寝中などにふくらはぎがコムラ返りを起こす

この方のお母様が当院に継続して体調管理のために、定期的にメンテナンスに来られている方でしたので、娘さんの身体を気遣われて当院への通院をすすめられたのが最初の来院のきっかけでした。

検査

自分の立っている状態を写真で撮ることによって普段の姿勢のクセを認識して、またそれがどのようにズレているために起こっているのかを説明させて頂く事で理解して、今後どのように施術を受けどのようなことに日常生活では気を付けると良いのかというように話させて頂きます。

立っているところを横からと正面からの2パターン撮影します。
ここで理想的なバランスの立ち姿として横から見たときに、 耳の穴ー肩の骨の先端ー股関節の中央ー膝の外側の関節面中央-外くるぶしの中央 これらが一直線に結ばれる状態がベストなのです。

この方の場合は耳の穴が肩に対して前方にありました。
これは首の緊張が強いために骨の全体の並びにある弯曲が無くなって顎が前に出た状態になっています。
また外くるぶしと肩先はバランスが取れているのですが、それに対して股関節が大きく前方へ写っています。
これは一見すると腰が大きく反り返っているので柔らかい柔軟性のある腰の良い状態のように見えるのですが、その実は全く反対で足や腰の周囲が緊張しているためにまっすぐ立っていられないので、下のくるぶし部分から股関節へは徐々に前のめりな体勢になってしまうのです。

そして腰はあまり反れていません。
ただ上部腰椎~下部胸椎周囲は比較的まだ柔軟性が残っているために、ここでバランスをとるために大きく反り返っているのでした。
これらを踏まえてもう少し詳しく骨のズレをみていくと・・・ 右骨盤と中央の仙骨という骨の左側が仙腸関節でズレています。

また背中や首にもズレがみとめられました。
この様な骨のズレがあるために、神経の流れが滞り、その神経の支配している血管や筋肉・内臓などの働きが鈍り、疲労は溜まり自然治癒力が落ちてきます。

そのような状態が持続するとやがて疲労が蓄積されて、必然的に様々な症状となって発症します。
またストレスの度合いが高いと、脳の働きも鈍ってきますから、それによっても神経の流れが滞ってきます。
そのような場合は、脳血管障害などに非常に有効な氣功三鍼法で脳と全身に気を流して、脳の働きを活性化します。

昔から東洋医学では【氣が滞ると、血が滞る】と云い、気の流れが良いと血行も良く、脳の働きも良くなると言われます。
なお産後の骨盤調整を始めるタイミングとしては、骨盤ベルトや産後ガードルなどは少しでも早くからした方がいいでしょう。

一般的には「産後の床上げ」といわれる産後1ヶ月を過ぎるあたりから、施術による調整は可能です。
ただ個人差がありますから、産後の症状が辛い方は個別に対応させて頂きますので、お電話やメール・Facebook金森整骨院ページ・LINE金森整体院アカウントなどからお気軽にご相談下さい。

経過

1回目:まずは産後の経過を含めたお話を伺い、調整をして大丈夫と判断できてはじめて調整を開始します。
右の骨盤と左の仙骨を調整して背骨の土台部分のバランスを整えてから、背中⇒首へと調整を進めていきます。
骨の並びが整うと、骨の間から出てくる神経の流れが良くなるので、その神経が支配している血管や筋肉などの働きが良くなって、血行が回復し筋肉が緩みはじめてきます。
その状態になったら、更に筋肉を緩めて関節の柔軟性を改善するために、全身の緩和操作をしていきます。

ここまでで症状は軽快していますが、更なる早期の回復を図るために、全身に気を流します。
調整後は、肩こりと腰部の痛みは半減していました。
その後この状態を維持してもらうために、日常生活での姿勢についての注意点を1つだけ説明させていただき、自宅でできるセルフストレッチを説明させていただいて1回目の施術を終了いたしました。

2回目:前回施術後から、こむら返りは起こっていないとのことでした。
その他の症状も改善していましたし、骨のズレもあまり戻っておらずに、比較的良好な状態でした。
これは調整などで骨のズレを直すだけでなく、この患者さま自身が日常生活において、当院で説明された姿勢やストレッチなどをキッチリこなされていたおかげでした。

今回も前回同様な手順で施術を進めていきます。
骨盤⇒背中⇒首の調整⇒全身の緩和操作・各関節の可動域を広げる⇒気功三鍼法で全身に気を流す 症状は更に改善し、順調な経過を経ています。

ただし、本当に大切なことは根本的な原因である骨のズレが改善し維持出来るようになることですので、症状が取れてきてもあまり安心してはいけないということです。

また、今現在症状を出している原因の骨のズレは比較的新しく出来たズレで、これは骨のズレが出来てから年月がたっていない場合には取れやすいです。
しかしながら、多くの方の場合には症状を出している新しいズレが改善すると、そのズレが出来る以前にあったズレがハッキリと現れてきます。
この骨のズレが長期間あると、そのうちにそれが原因となって新しいズレが出来てきます。
つまり調整を続けていくと、現在に至るまでの悪くなってきた経過を辿るようにして、ズレを直していく事になるのです。
そうして、一番古い骨のズレが改善した時には、根本的な問題が解消したということになります。

ここまでの改善をみたら、その後の関節の変形(変形性膝関節症・ヘルニア・脊柱管狭窄症など)はまず起こらなくなりますし、今現在ある関節の変形は進行が止まり症状も無くなってくるのです。
そこまでを見据えて、施術の計画を立てて定期的に調整していく事が、ベストな方法であると言えるのです。

3回目:症状は初回ご来院時から比べて、患者さまご自身の感覚として最初の症状を10としたときに、現在の症状は1か2くらいになっているとのことでした。

未だ今回の施術の目的として、さらなる症状の改善を図り、これまでと同様に施術の手順を進めてまいります。
骨盤⇒背中⇒首の調整⇒全身の緩和操作・各関節の可動域を広げる⇒気功三鍼法で全身に気を流す 施術後には症状はほぼ消失していますが、2回目の説明で前述しましたように、次回からは痛みのための調整ではなく根本的な改善を図る調整へと移行していきます。

院長コメント

一般的に産後スグの女性の身体は、出産時に赤ちゃんを産むために、通常ないくらい関節が柔らかくなっています。
そして約6か月くらいすると徐々に関節が硬く戻っていきます。
ですので、出来るだけ関節が再び硬く戻りきらない前に調整することで、普通では見られないくらいズレが取れやすいのです。
(ただし、産後スグの母体は出産のために大きなダメージを受けていますので、なんでも早く調整をすればいいと云うものではなく、そこは慎重に調整を始めるタイミングを見極めなければいけません)

また、単に調整をすれば良くなるというものではなく、調整をした良い状態をいかにして維持して再び骨のズレが戻らないようにするかと云う事が非常に大切なのです。
それは、ご来院時に当院で説明させていただきます日常生活の姿勢の注意ポイントとセルフストレッチが基本です。

場合によっては、育児やその他のストレスなどのメンタル的な問題が存在することがあります。
そういうケースでは、カウンセリングを行いながら気功も合わせて施術をすると、効率よく改善していきます。


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