腰痛、左脚の歩行痛「ちょっと歩くと足腰が痛くて、休むと楽になるがまた歩くと痛むのが、3回目の施術で楽になってきた」

患者さま

R.S様(男性/73歳)東大阪市石切在住
職業:無職(元 石職人)
症状:腰痛、歩行痛、右手小指シビレ

ご来院時の症状

身体全体が大きく前屈みになっており、腰部の痛みをかばうようにして歩かれていました。
また、左脚の痛みの為に体を右方向に傾けてもいました。

10年ほど前に強い腰痛に襲われた事があるそうで、その時には病院を受診して腰椎椎間板ヘルニアと診断されて、腰部牽引や低周波などの物理理学療法と湿布や痛み止め・ビタミン剤などを処方され、完全に症状が消失してはいないもののなんとか仕事に復帰出来たので、それ以降は腰部についての治療施術の類は受けていないとのことでした。

そして仕事をリタイアされてからは、大きな病気で何回か入院してベッドで長期療養を余儀なくされたり、そのために以後めっきり体を動かす事が少なくなったりしていました。 ところが最近は、お孫さんの子守や世話のために、また体を使うことが増えてから、それに伴い腰痛や足腰の歩行痛が徐々に増強してきたとのことでした。

そして症状が酷くなった決定的な出来事は、お孫さんの野球の試合をビデオ撮影するために立ちっ放しでいてたからだそうです。

それとは別に、石材の職人さんだった10年くらい前から右肘部内側部から右小指先にかけて痺れがあり、肘部の尺骨管という尺骨神経の通っている部分を手術したとの事でしたが、現在も相変わらず痺れを感じているとの事でした。

症状をまとめますと、次の通りです
・日常生活では常に腰痛が発症している
・100メートルくらい歩くと脚へ痛みと痺れが発症する
・右肘の内側〜右小指にかけて痺れがとれない

検査

以前は力仕事をされていて何度も傷めていた為に、腰の状態はハッキリ言って極めて良くない状態でした。

骨盤全体に大きく後屈しており、腰椎も後ろ側に弧を描くような後弯した状態で、なおかつ右への傾きと捻じれが認められ、その為に上半身もよじるような体勢でナントカ頭部は水平に保っているような感じでした。
そのような状態ですので、当然背中や首にも骨のズレが出来ていました。

また、それらの中でも最もズレが古くて頑固になっている部分が骨盤の右側にある腸骨という骨でした。 この骨のズレのおかげで、様々な新たなズレが生じて症状を発症させているのでした。
その為に骨盤周囲から始まって首までつながる背筋は右側の緊張が強く、右の肩甲骨周りや右腕全体にまで及ぶ過緊張状態を生じさせていました。
右腕の痺れは右上肢全体にあるこのような過緊張状態を緩和するのと同時に、長年の過緊張状態で生活していた為に出来た腕の関節のズレも直していくことが重要なのです。

経過

1回目:まずは最も古くて頑固になっている右側の腸骨から調整をしていきました。
この部分が、そもそも全ての症状の根本原因ですから、これが直ると他の部分は早く改善されてきます。

問題はこのような古くて頑固になっている「骨のズレ」は一般的に数回の施術では、なかなか直りにくく時間がかかるということです。
なので、この「古くて頑固な骨のズレ」は、どうしても少しずつしか直りません。
しかし、この「骨のズレ」がキッチリ取りきれていない段階でも、結構早くに症状は解消します。
ただ、全ての「骨のズレ」の根本原因である親玉みたいな部分ですので、これを放置したままでは、いずれまた新しいズレを生むことになり症状を発症させることになるのです。

続けて仙骨を調整します。
腸骨がズレれば必ず仙骨ズレてきます。

次には、背中を調整し最後に首を調整します。
背骨の土台である骨盤がズレているので、その上に乗っている背骨は全体的に首まで、必ずズレてくるものなのです。
逆にいえば腰が悪いために、いくら腰を施術していても、首や背中のズレが残っていたらスグに腰も再びズレて戻ってしまいます。

背骨の調整が一通り終えてから、この患者様のケースでは上下肢の関節にも可動域を制限する関節のロックした状態がみられましたので、その関節のロックを解除するようにこれらの部分もまた調整していきます。

調整が終わると、神経の流れが活性化されて血行は良くなり筋肉は急激に緩み始めます。
このような状態に体が変化してくると、マッサージやストレッチ、適度な運動を少ししてあげるだけで、更に血行は促されて筋肉はドンドン緩んできます。
そこで当院では、緩和操作で全身の筋肉を緩めていきます。
(また、このような身体の状態になってくると、薬などもよく効くようになります。薬を飲んでもあまり効かないという方は、身体がこの様な状態にないことがしばしば見受けられます。)

これで全身的な骨格骨盤調整は終了しました

痛みも大幅に改善し驚いておられましたが、歩行時にはいま少しフラつくような感じがまだ見られました。
随分長い期間まともに歩くことが出来ていなかったので、一般的に考えて当然のことではあります。
いずれまた少しづつ歩けていけるようになってくれば、これもかなり回復してくる事でしょう。

ただ、この方の場合少し体力的な「氣のレベル」が落ちてしまっているようでしたので、氣功三鍼法という方法で全身的に氣を流していきました。
全ての施術が終了した時には、来院された時とは別人のように歩かれておられました。

2回目:前回施術後から歩く際に辛かった痛みは、もう日常生活の中ではあまり感じられないとの事でした。

但し、まだ骨のズレは確実に残っています。
長期間ずっと放置されていたズレは、そんなに容易くは残念ながら直ってはくれません。

今回の施術も、基本的な手順としては前回同様に進めていきます。

骨盤の調整→背中の調整→首の調整→上下肢の調整
これらが終わると、次には 全身的な緩和操作で体全体に及んでいる過緊張状態を改善していきます。
最後に、氣功三鍼法で全身的に氣を流して、今回の施術は終了しました。

また、身体が動かし易くなってきておられるので、自宅で出来る体操やストレッチも指導させて頂き、これを日常の中で出来るだけコマ目に実践して頂くことで調整した後の身体の良い状態が早く確実に安定してきます。

3回目:前回施術後から施術後からは、外出してなるべく歩かれるようにしているとの事でした。 ご来院前には、100メートル歩くと痛みで休憩したくなっていたのが、片道500メートルほどの道程を歩くことが出来たとの事でした。

施術は今回も、同様に進めていきました。

これまでは主訴である腰や歩行時の痛みの施術を最優先していましたが、順調に改善しているので手の痺れの方も今回は重点的に施術していきました。

施術後は、痺れは軽くなってきているとの事でした。

院長コメント

もう随分以前に、お仕事をリタイアされているそうですが、長年の肉体労働で酷使してきた身体は極端に変形していました。
この様な状態では、いつどんな症状が発症しても不思議ではなく、今回の症状もある意味必然的だったと言えました。

残念ながら一度変形してしまった骨の形やそれによって出来た姿勢の歪みは、その後戻ることはありません。
しかし固まってしまった関節の柔軟性と可動性を取りもどしていくと、症状は消失し変形の進行も止めることが出来ます。
またこの状態を維持していくことで、今後の症状の再発や新たな筋骨格系の症状の予防が、可能となるのです。

「歳だから仕方がない」とあきらめてしまわないで良いケースが、実は非常に多いのです!


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