腰椎椎間板ヘルニア「足腰が痛くて仕事にならない」

患者さま

Y様(男性/70代)
職業:食堂経営
症状:腰痛、左脚全体に疼痛(特に太ももの後外側)

ご来院時の症状

2〜3週間前から腰に違和感を覚えていたが、徐々にハッキリとした痛みを感じるようになって、ここ数日は腰の痛みと伴に左脚の後外側に酷い痛みを覚えるようになった。
この方の娘さんが当院に現在通院されており、お父さんであるこの患者様は普段病院嫌いだそうで、この度当院へは娘さんに半ば強制的に引っ張って来られたようでした。

また今回初めて来院される前に、当院から念のために近所の整形外科の先生に、画像診断するために紹介させていただき腰椎椎間板ヘルニアと診断を受けられたそうでした。
そして、そのままそちらの整形外科で電気を当てて牽引をしてもらってから少し楽になったようでした。
しかしながら、それではすぐに症状がぶり返してしまう為に、根本的なヘルニアの原因である骨のズレを直す必要がありました。

*ここで少し、ヘルニアってどうして起こるのか⁉︎ということについて解説しておきます。

骨盤の構造は、関節の面が縦になっているために元々ズレやすい構造をしており、そのために骨盤はズレやすく背骨の土台である骨盤が傾いていると、その上に乗っている背骨も全体に同じ方向へ傾いていきます。
そして、そのままでは身体が倒れていってしまうので、頭を平行にするために上半身は反対に傾いてバランスをとります。

例えば骨盤の右側の骨がズレて骨盤が右に傾いている場合、その上に乗っている背骨も右に傾きますが、やがて上半身でバランスをとるために背骨は徐々に左へとカーブしていきます。

この傾いている背骨の骨と骨との間でクッションの役割を果たしている軟骨の椎間板には、腰椎部では右側に負荷が多くかかるために、その椎間板の中に入っているゼリー状の物質(髄核)が圧力の少ない左方向へと押し出されていきます。
これが慢性化すると最終的には椎間板の左側に亀裂が生じて、そこから髄核が飛び出してきます。

これがヘルニアと呼ばれる状態です。

この飛び出してきた髄核を取り除いても、根本的に体の傾き…すなわち背骨の土台である骨盤の傾きを直さないと、またヘルニアは再発してしまうリスクが残ります。
また同じ部位が再発する場合もあれば、そのすぐ上や下の椎間板からヘルニアが続いて起こることもよく見受けられます。

つまり、この患者様も骨盤のズレを直して背骨の傾きが解消されることによって、ヘルニアの進行は止まります。
そうすればヘルニアになってしまった部分は、本来は身体にとって余計な部分である為に免疫細胞が異物としてとらえて食べてくれるようになるので、やがて無くなってしまうのです。

 

主な症状をまとめますと次の通りです。

・起床時に腰の痛みがつらい。動き出すと幾分痛みはうすらぐが、疲れてくると再び痛みが強くなってくる。
・疲れてくると左脚全体に痛みの範囲が広がってくる(特に太もも)

経過

1回目:骨盤のズレを直してから、背中、首へと背骨の調整をすすめていきます。

下半身の症状のみであっても、上半身の骨のズレが残ったままだと、いくら骨盤などを調整してもズレがじきに戻ってきてしまいます。
骨のズレを調整すると、骨の間から出てくる神経の流れが良くなって血行も戻ってきて筋肉などの組織の疲労も回復しやすくなってきますから(自然治癒力)、調整後に緩和操作やストレッチで筋肉をゆるめていきます。

また当院では、調整後に機械を使って関節を動かすこともしますが、これらのことをすることによって早く症状が改善していき関節の可動範囲も効率よく広がっていきます。
そして更に血行を促すために、クォンタム気功で気を全身に流してあげます。

施術後は、引きずっていた左脚の痛みが半減して普通に体重を乗せて歩けるようになってきました。
腰の痛みも大幅に改善しているとのことでした。

骨のズレが戻らないような日常生活での姿勢についての注意ポイントと、セルフストレッチの方法を説明させていただき、1回目の施術を終了しました。

2回目:前回施術後の翌日は起床時の腰の痛みも半減しているとのことで、経過は今のところ順調であると思われます。

前回同様に、骨盤から調整していき背部~頚部へとすすめて、その後は緩和操作や気功で施術していきました。
施術後には、左足の痛みは消失しておりダルサのような違和感のみが残っていて、腰の痛みは感じないとの事でした。

院長コメント

非常に順調な経過を示しておりましたが、この方の事情により施術はこの2回のみとなってしまいました。

症状が大幅に改善していたのは良かったのですが、骨のズレはまだ安定する時期には至っていないために、本来であれば少なくとも5~6回は間をあまり空けずに調整して、その後は間隔を空けて行きながら定期的に体調を維持するためのメンテナンスをするのがベストであります。
つい症状が改善するとそれ以上の施術の必要性を感じなくなりがちなのですが、来院されるに至るまでの症状の強さや時間を思うと、身体の状態がそんなに早く変ることは30代後半以降では、まずあり得ません。

この方のような椎間板ヘルニアは急に出来た状態ではなく、長期間かかって少しずつ椎間板に偏った負担がかかり続けた結果ですから、必ず回復にもある程度の時間が必要となってきます。

症状が楽になったために頑張って仕事や用事に精を出すことは良いのですが、そのために根本的な骨のズレがキッチリとることが出来ていないと、再発のリスクは高い確率で残ってしまいます。
そして、再び同様の症状が発症したときには、必ず前回よりも症状は強く状態は酷くなってしまいます。

そうならないために、当院ではキッチリ状態が安定するまで来院頻度の説明をさせていただき、なるべくならメンテナンスのために月に1~2度でも調整していただくことをお薦めさせていただいております。


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